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2023.04.17
プレスリリース

JTOWER、ベトナム初の5G屋内インフラシェアリング 実証試験を実施

株式会社JTOWER(代表取締役社長:田中敦史、本社:東京都港区、以下 JTOWER)は、令和4年度総務省事業「ベトナム社会主義共和国における屋内通信インフラシェアリング実証試験の請負」に請負事業者として、2023年1月~2023年3月の期間にて、ベトナム国内初となる5G屋内インフラシェアリングの実証試験を行いました。

 

■実証試験の概要
本実証試験では、ベトナムでの5G早期普及に向け、通信トラフィックの多い商業施設「Parkson Saigon Tourist Plaza」(ホーチミン市)にて5G通信環境をインフラシェアリングにて構築・運用する実証試験を行いました。さらに5G基盤を活用したXRコンテンツを提供し、大容量データの利活用に関する検証を実施。一連の実証試験を経た上で、インフラシェアリング導入によるコスト、電力等の削減効果を定量的に明らかにしました。
本実証試験の環境構築および運用は、JTOWERのベトナム事業を担う子会社Southern Star Telecommunication Equipment Joint Stock Company(代表取締役会長:五十嵐 聡、本社:ベトナム ホーチミン市、以下 SPN)にて実施し、さらに、XRコンテンツの提供に向けたソリューションの構築・運用は、KDDIの海外現地法人であるKDDIベトナム ホーチミン支店(代表:角田 尊和、所在地:ベトナム ホーチミン市)が担いました。
なお、本実証は日本とベトナムの外交関係樹立50周年にあたり両国の相互理解を深め、友好を促進する事業や社会貢献関連事業が認定される50周年認定事業(https://japanvietnam50.org/certified-business)に2023年3月15日付で認定されました。

 

■本実証による成果
1) 5G屋内インフラシェアリングの実証試験環境構築
本実証にはベトナムの携帯通信事業者2社が参画し、既に設置されている4Gのネットワーク設備に加え、5G通信環境をインフラシェアリングにて構築しました。5G通信の通信速度、遅延時間について測定し、各フロアの既存4G通信の通信速度、遅延時間をベンチマークとして比較した結果、通信速度は10倍以上、遅延時間についても30%前後の向上が見られました。
また実証結果に関する関係者へのヒアリングを行った結果、Parkson Saigon Tourist Plaza 施設管理者からは特に5G通信の通信速度について高い評価を得られ、実証に参加した通信事業者2社からもインフラシェアリングの有用性、通信速度について高い評価を得られました。

2) 5G ネットワーク機器を活用したアプリケーションの検証
本実証にて構築した屋内5G通信環境下にてXRコンテンツを提供し、大容量データのダウンロードに関する利便性の向上を評価しました。「au XR Doorソリューション」が設置されているParkson Saigon Tourist Plaza1階のMUJI PARKSON LE THANH TON店にて、4G通信、5G通信それぞれについてコンテンツのダウンロード時間を計測した結果、ユーザーが最初にアプリケーションをインストールする際にかかる時間は、全てのケースで半分以上短縮されており、大幅な改善が見られました。

3) 設備投資費用・運用維持費用・消費電力等の削減効果、収益性の検証
実際の運用を通じて、インフラシェアリングを行わなかった場合に想定される設備投資費用・運用維持費用・消費電力をどの程度削減できたのか定量的に明らかにしました。
本実証で要した設備投資額、消費電力をもとに、携帯通信事業者2社が個別に通信環境整備を行った場合と比較し試算を行った結果、工事費、設備費等を含む設備投資額および運用維持費用は約1/2、消費電力についても約1/2に削減が可能となることが明らかになりました。
今後のインフラシェアリングを活用した5G推進に向けては、5G設備の価格、電気料金、設備設置ための機械室の賃料等を鑑み、トラフィックの多いエリアに絞った通信設備の設置や3社でのシェアリングを行うことが有効であると考えられます。

 

■本実証実施の背景
総務省ではデジタル化の基盤となる安心・安全な5Gの世界的普及に貢献すべく、5Gを起点とした産業基盤を展開していくために、デジタルインフラやデジタル技術の海外展開を進めています。
特にベトナムは、高い経済成長に伴い携帯電話普及率は100%を超えて伸びており、携帯通信インフラの需要が継続して高まっています。またベトナム政府は、2023年に5Gの免許を各携帯通信事業者へ供与する方針を明らかにしており、今後、5G通信インフラへの更なる需要の拡大が見込まれます。
JTOWERは2020年に5G Sub6帯域に対応した共用装置の開発を完了し、2020年11月、東京都庁第一本庁舎にて、国内初となるインフラシェアリングによる5G電波環境整備を行ったのを皮切りに導入を本格化しており、こうした実績を活かし本実証試験に取組みました。

JTOWERは、「日本から、世界最先端のインフラシェアリングを。」というビジョンのもと、世界でも高い品質を誇る日本の通信業界において培ってきた技術、サービス品質、ビジネスモデルをさらに磨き上げ、社会のデジタル化に貢献してまいります。

 

【実証試験の概要】
■期間:2023年1月~2023年3月
■場所:Parkson Saigon Tourist Plaza(ベトナム ホーチミン市)
地上5階 地下1階/複合商業施設
■検証内容:
1) 実証試験環境の構築
既に設置されている4Gのネットワーク設備に加え、5G通信環境をインフラシェアリングにて構築する。
2) 5G ネットワーク機器を活用したアプリケーションの検証
XRコンテンツを提供し、屋内 5G 環境下にて大容量データのダウンロードに関する利便性の向上を評価する。
3) 実証試験の検証
実際の運用を通じて、インフラシェアリングを行わなかった場合に想定される設備投資費用・運用/維持費用・消費電力をどの程度削減できたのか定量的に明らかにする。さらに、実導入に向けたビジネスモデルの策定を行い、その他ASEAN各国への展開につなげる。

 

【各社の役割】
JTOWER:
プロジェクトマネジメント、検証内容・検証方法の企画、技術的課題・ビジネス的課題の抽出、実証試験結果のとりまとめ

SPN:
5G屋内インフラシェアリングの環境構築、現地関係者調整、電波測定の実施等

KDDIベトナム:
5Gを活用したアプリケーションによるサービスの構築・提供

 

【5G屋内インフラシェリング システム構成図】

MDF:Main Distributing Frame|ビル全体の通信線路をまとめているスペース
EPS:Electric Pipe Shaft|各階を縦につなぐ配管設備が収められているスペース
ACU:Active Conditioning Unit|信号調整器
DAU:Distributed Access Unit|信号分配器 親機
DEU:Distributed Extension Unit|信号拡張分配器
DPU:Distributed Point Unit|信号分配機能 子機 一体型アンテナ

 

【店内のアンテナ設置イメージ】

 

JTOWER概要 https://www.jtower.co.jp/
(1)会社名:株式会社JTOWER
(2)所在地:東京都港区南青山2-2-3
(3)代表者:代表取締役社長 田中 敦史
(4)事業内容:通信インフラシェアリング事業およびその関連ソリューションの提供
(5)設立:2012年6月

SPN概要 https://www.spnjsc.vn/jp/
(1)会社名:Southern Star Telecommunication Equipment Joint Stock Company
(2)所在地:412 Nguyen Thi Minh Khai Street, Ward 5, District 3, Ho Chi Minh City, Viet Nam
(3)代表者:代表取締役会長 五十嵐 聡
(4)事業内容:ベトナムにおける通信インフラシェアリング 等
(5)設立:2007年7月

KDDIベトナム概要 https://vn.kddi.com/
(1)会社名:KDDIベトナム ホーチミン支店 (KDDI VIET NAM CORPORATION HCMC Branch)
(2)所在地:69 Ha Noi Highway, Thao Dien Ward, District 2, Ho Chi Minh City, Vietnam
(3)代表者:副社長 角田 尊和
(4)事業内容:システムインテグレーション等
(5)設立:2000年4月

 

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