置局交渉

S. I.

2018年中途入社

インフラシェアリングという新しい概念を世の中に広めていく役割を担う

PROFILE

大学で土木工学を学び、新卒でゼネコンに入社し、設計、技術検証などを担当。その後、通信設備会社、設計コンサルティング会社を経て、2018年、JTOWER入社。置局交渉担当として主に不動産事業者への企画営業を担い、2021年より置局交渉部門を管掌。

JTOWERの事業に出会い、置局交渉の常識が覆った

―これまでの経歴を教えてください。

大学では土木工学を学んでいて、新卒でゼネコンに就職しました。そこで5年半ほど、主に設計や技術検証を担当していたのですが、もっと現場に近いところで仕事をしたいという想いがあったことと、当時、携帯キャリア各社が積極的に基地局の建設を進めていたこともあり、通信建設会社に転職しました。ここで、設計や工事の調整、置局交渉含めた一連の業務を経験しました。
その後、転職した設計コンサルティング会社での就業中に、通信建設会社でつながりのあったJTOWERのメンバーから声をかけてもらい、JTOWERの目指す姿に共感し、入社することになりました。

― JTOWERへの転職に迷いはなかったのでしょうか。

JTOWERが共用設備を使った電波環境対策を行っていることに魅力を感じて、迷いはなかったです。というのも、通信建設会社で不動産事業者様に置局交渉をしていたときから、「なぜ集約できないの?」とお客様からよく相談をいただいていたんです。当時は、携帯キャリア各社での設備の共用はできないことが常識でしたが、JTOWERの事業を知り、そこが覆りました。

― JTOWERへの入社当時と今ではどのような変化を感じますか。

私がJTOWERに入社した当時、オフィスは今の半分ほどの広さで、IBS(※)の導入実績もまだ少なく、タワーシェアリングなど新しい事業領域もありませんでした。
私は前職の経験もあり、入社当時から不動産事業者様への置局交渉を担当してきました。当時はどのお客様もインフラシェアリングのことを知らなかったのですが、説明を聞くと、前向きに考えていただける方が多かったですね。一方で、実績が今ほど十分になかったので、「安心して任せられるサービスなのか?」と懐疑的だったり、会社の信用力も疑問視されたりと、苦戦することが多かったことを覚えています。

それから3年が経ち、最近では、不動産事業者様や建築、設計会社様側から引き合いをいただくケースが多くなっています。携帯電話通信が生活と切り離せないものになったことで、建築物の設計の仕様書にも携帯電波の不感知対策が盛り込まれることがスタンダードになりつつあり、JTOWERが携帯キャリア各社とのネットワークを持ち、交渉窓口含め一本化できることを高く評価いただいています。そして、この仕組みを知り、問題なく設備が稼働すると、「では次の案件も」「別の物件でも」と、次につながっていくのです。

※In-Building-Solution、屋内インフラシェアリング・ソリューション

信頼を得て、積み上げてきた実績がJTOWERの強み

― 同業他社の動きも徐々に出てきていますが、JTOWERの強みはどこにあるのでしょうか。

やはり実績です。国内では最大規模の導入実績がありその背景には、これまで培ってきた携帯キャリア様、不動産事業者様からの信頼や関係性があります。特に各携帯キャリア様から求められる品質レベルは高く、確実にサービスを開始できる工期の調整に加え、24時間365日の保守・運用体制、さらには、共用設備を独自開発していることも、この実績を支えています。

インフラシェアリングという市場すらなかったところから、一つひとつ実績を積み上げて、携帯キャリア様、不動産事業者様の信用を獲得することができたことが、大きな強みだと思います。

― 屋内インフラシェアリング・ソリューションでは、導入物件のカテゴリも拡大しています。

入社当初から、対象となり得る新設の建物は幅広くリサーチしてご案内を進めてきましたので、オフィスビルや商業施設だけでなく、市役所、区役所といった行政施設、病院、大学、研究施設、ホテルなど施設の幅は広がりつつあり、各施設の特徴に応じた電波環境整備のノウハウも蓄積されてきています。
近年ではオンラインストアの拡大もあって物流施設の案件が増えていくのではないかと見ています。かつてのように物を置いておくただの倉庫ではなく、物流のDX化が急速に進んでいることに加え、就業者向けのサービスも充実させており、通信環境の整備を必要とされているケースが多くなっています。

― 5Gをはじめ、JTOWERの新たな取り組みが進んでいく中で、置局交渉部門の役割はどのように変わっていくのでしょうか。

4Gの電波環境整備は携帯キャリア各社にとっても「広く、遍く、どこでも」というスタンスで屋内では全館を対策範囲とすることが当たり前でした。一方で5Gはまだ普及段階にあり、置局の交渉でも「5Gを活用して何をするのか」という、通信基盤のその先を理解した調整が求められます。不動産事業者様の意向と、携帯キャリア各社様のネットワーク戦略を踏まえ、目的や用途に応じて対策エリアや時期など複雑な調整を行っていくことは簡単ではありません。ただ、難易度が高まっている分、携帯の通信環境改善だけにとどまらず、新たな体験価値やイノベーションの創出、産業のDX化など、社会全体に及ぼす5Gの可能性と期待の大きさを間近で感じています。

自治体が推進するデジタル化に貢献する取組みも増えています。自治体がもつアセットを開放し、基地局設置を進めていく動きが広がりつつあり、JTOWERとしても東京都などにて窓口をお任せいただいています。
さらに、タワーシェアリングやスマートポールなど、JTOWERとしても屋外の事業へと広げている中で、今後は屋内、屋外連動した対策も広がっていく見通しで、新たな挑戦は続いています。

共用装置を用いたソリューション提案がミッション

― 置局交渉部門はどのようなチームでしょうか。

各メンバーがそれぞれ、担当する不動産事業者様への対応に邁進していますが、在宅勤務(※)の日も毎日、朝と夕方にはオンラインのミーティングを実施して、気軽に相談できる場を設けています。
私が入社したときは2~3名のチームだったのですが、事業の拡大とともに体制を強化し、今では男女比もほぼ半々で、経験者、若手、中途入社、新卒入社と様々なバックグラウンドをもったメンバーが活躍しています。今後はマニュアルの整備など、組織としてレベルアップを図っていける体制をつくっていきたいと考えています。

※新型コロナウイルス感染対策の一環として、在宅勤務を導入しています。

― 改めて、JTOWERの置局交渉部門のミッションはどのようなものだととらえていますか。

単純に「基地局を設置させてください」という交渉をするのではなく、共用装置を用いたソリューションを提案することが私たちのミッションです。
インフラシェアリングは、より多くの携帯キャリア様にご利用いただくことで、その価値を最大化できるというビジネスモデルゆえ、交渉や調整は簡単ではありません。しかし、JTOWERの置局交渉担当は、インフラシェアリングという新しい概念を世の中に広めるという重要な役割を担っているのだと考えています。

一方で、仕事に対する姿勢としては、接するすべての方々に対し誠実であること。個人としても、そしてチームとしても、最も大切にしていることです。今後も、過去から築いてきた信頼を大切にし、新たな挑戦を続けていきたいと思います。