執行役員 技術本部長
塩沢 真一
2015年中途入社
「世の中にないものを、最速で」JTOWER技術本部が自社開発を貫く理由とは?
- PROFILE
日系大手通信メーカーにて基地局の研究開発に携わり、屋内中継装置の開発を担当。
2015年にJTOWER入社、事業者共用光中継装置の開発を担当し、安定的な通信品質と先進的な取組みを牽引してきた。2021年に技術部長、2025年4月より技術本部長、2025年6月より現職。装置開発、ソフトウエア開発のほか、屋内設備の運用管理、電波伝搬設計部門を管掌する。
インフラシェアリングのライフサイクルを一貫して担う「技術者集団」
― 技術本部の組織と役割について教えてください。
技術本部は、インフラシェアリングの設備導入前から導入後までのライフサイクルを一貫して担う部門です。シミュレーションによるエリア設計とアンテナ配置の最適化から、装置導入後の遠隔監視、運用管理までを技術面でトータルにサポートしています。さらに導入する装置は、創業当初から自社開発を貫いています。導入後の安定的な運用を支える装置の遠隔監視システムも自社で開発したものです。
技術本部のメンバーの多くはこうした開発、設計、運用に必要な知見や専門資格を保有した「技術者集団」で、JTOWERの社内でも最大の人員規模を誇る組織の一つです。
― JTOWERが既製品を購入するのではなく「自社開発」にこだわるのはなぜでしょうか?
最大の理由は、新装置投入までのスピード感です。既製品であれば仕様や機能の変更は簡単には行えませんし、メーカーに開発を委託したら開発優先順位や、開発タイミングを戦略的にコントロールできません。 私たちは携帯キャリア様や不動産事業者様の声を直接聞く立場にあり、自社開発であれば経営判断で迅速に装置を作ることができます。携帯キャリア各社との調整や試験をしっかり経ても導入までの期間を圧倒的に短縮できます。
自社開発は、実際に運用している現場や携帯キャリア各社のニーズと向き合い、世の中にないものをスピード感を持って作り出していくという我々のポリシーを具現化するために欠かせません。
もちろん国内外の装置ベンダーとは密なコミュニケーションを取っており、秘密保持契約のもとで最新技術の共有や視察は常に行っています。米国や韓国といった先行事例の調査や、ミリ波と呼ばれる新たな周波数帯域の普及に向けた協力体制の構築など、自社開発とパートナーシップにより、更なる高度化を目指しています。
― これまでの経歴を教えてください。
大学では情報通信工学を専攻し、プログラム・情報通信・光伝送など、通信関連について学びました。大学卒業後は、移動体通信関連の開発に携わりたいと思い、無線機の老舗である日系メーカーに入社しました。
そこでは、携帯電話の基地局の研究開発を担当し、携帯キャリア様向けの装置やOEMで海外メーカー向け機器の開発を20年ほど担当していました。入社した頃は携帯電話が市場に出始めたタイミングでしたので、3G、4Gという流れも見ることができました。通信業界は進化のスピードが早く、その技術進化を肌で感じられることに大きなやりがいを感じていました。
その後メーカーから、放送関係の企業へ移り、放送に関わる無線機の開発と、設置・運用などを3年間経験した後、JTOWERに入社しました。
― 入社当時のJTOWERはどのような状況だったのでしょうか。
当時は設立3年目の頃でした。屋内インフラシェアリング・ソリューションは提供が開始されていたものの、まだ認知度も低く、実績もほとんどない中で、携帯キャリア様に積極的なアプローチをかけている頃でした。私も訪問に同行し、技術的なご説明をするところからJTOWERでの仕事が始まりました。
メーカーにいた頃は装置の開発だけをやっていましたが、JTOWERでは実際にお客様のところへ行き、運用まで見届けるようになりました。開発者として技術だけを追うのではなく、お客様の手元に装置を届け、実際に使われるところを見届けられる経験は、メーカーでは得られなかったことでした。
装置全体を理解した上で、接続試験をして、運用までを見届ける経験は様々なアイデアも浮かばせます。そのアイデアを次の開発に活かし、盛り込み、装置という形にしていくことができるのは、責任も大きいですが、大きなやりがいにもつながりました。
自分たちで理想のインフラを作ることができる
― その後、JTOWERの先進的な取り組みを支える様々な開発を手掛けます。
2014年に初の商用サービスを開始して以降、新たな周波数帯域に対応した装置の開発や、2020年には国内初となる5G Sub6帯域に対応した装置を開発しました。直近では、送信出力を 高めながらも、省電力化、容量も削減した新モデルなど、機能のバージョンアップもスピード感をもって進めています。
また更なる進化を目指し、シェアリングできる領域の拡大を進めていることも大きな取組みの一つです。
2025年6月には、国内初となる5G 共用無線機の開発を完了しました。通信設備の構成(図)の中でも無線機までをシェアリングすることで、建物側の設備スペースを劇的に削減でき、システム全体で消費電力を約7割削減できるという試算もあり、省エネやメンテナンスの観点でも大きなメリットがあります。シェアリング領域を拡大していくことは、メリットが大きい反面、技術的な難易度も高まりますが、今後、5G、6Gと世代が進み、より高周波数帯域のシェアリングが進んでいく中、シェアリング領域の拡大は重要なステップだと考えています。
そのほか、業務効率化や更なる品質の均一化 に向けて、設計業務や監視システムへのAI導入も積極的に進めています。
通信技術は常に進化しています。技術者としてそれが楽しみです。日々の進化を身近に感じながら、世の中に必要とされる装置を開発していきたいと思っています。
参考:プレスリリース
JTOWER、国内初、オープンRAN対応 5G共用無線機を開発~シェアリング可能な領域を拡大し、設置スペース、設備・工事費、消費電力の削減に貢献
― 技術部門では多くの中途入社社員が活躍しています。JTOWERが選ばれる理由はどのようなところにあると思いますか?
自社で装置をゼロから開発している体制は、JTOWERに優秀な人材が集まる大きなポイントだと考えています。
単に既製の装置を導入し運用するのではなく、現場の「もっと設置作業を効率化したい」「遠隔監視で要因の切り分けをスムーズに行いたい」といった工事や運用側の意見をダイレクトに装置開発へフィードバックできる。この「自分たちで理想のインフラを作ることができる」という循環が、技術に携わる者にとって大きな魅力だと感じています。
― 様々なバックグラウンドのメンバーが集まる技術部門ですが、チームの雰囲気はいかがでしょうか?
それぞれ強みとなる技術領域をもっている、プロ意識の高いメンバーたちの集まりです。一方でチームの雰囲気は和気あいあいとしていて、やりたいことはまずやってみようというスタンスです。アイデアをどんどん形にできる組織です。
― インフラシェアリングの先駆者として、技術部門はどのような存在を目指していくのでしょうか?
インフラシェアリングのプレーヤーが増えることは、市場の活性化、健全化にとって喜ばしいことです。その中で、設計ノウハウや自社開発の技術力、そして現場を熟知した運用体制を武器に、模範となるような確固たる品質を確立することが我々の使命です。
インフラシェアリングによる通信環境整備に関わる皆さん、そしてその通信環境を利用する皆さんが安心し、信頼していただけるよう、先駆者としての役割を、技術の面から全うしたいと考えています。
